[完] スマフォン忍者 HISANO

――あとは事件を待つのみ――

 とても睡眠不足とは思えない自信満々な顔。

 ちょうどその時、寿乃の机の横を王路が通り過ぎた。

 通り過ぎた時、すごい変な匂いの香水の香りがした。
 臭いと思っていたことが、そのまま表情に出た。


――やばい、目つけられる。――

 一瞬冷やりとしたが、特に何もなく、王路が寿乃にかけることはなさそう。

 
――あの後どうしたんだろうね。――

 那美のお金が盗られた後、本当に王路が解決したのだろうか。

 そう思ってたら、王路が通り過ぎた。
 スマートフォンをいじり始めた。

 頬杖をつき、クラスの様子が映し出されている映像を小さく追いやって、他の作業している。

 しゅっしゅっしゅっ。

 華麗な裁きで動かす人差し指。

「あっ、っとっと。」

 少し操作を間違えたようだ。慌てて修正。
 終わったら、何事もなかったようにスマートフォンをいじって。


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