[完] スマフォン忍者 HISANO
 自分の発言が筒抜けになるから、もしつけられていたら怒るに決まっている。

 プライバシーとなんやらかんやら言われて。

 今は仕方ない。

 そう割り切るしかない。

 もっと悪いことしたのは誰っと言い返したい。


 寿乃は鼻で深く息を吐き、授業に集中する。

 とは言えど、内容は何が何やらさっぱり分からない。

 結局、スマートフォンをいじるという選択肢を選ぶ。

 それで、スマートフォンを見た時には、もう風花はいなかった。


――やっちゃった。――

 そう思ってももう遅いから、風花のことを思いながら、教室の監視を続ける。


 風花は生物実験室に来なかった。保健室にいるっということで、話が通じてる。
 本当は、どこにいるのか分からない。


 キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン♪

 六時間目終了のチャイムが鳴った瞬間、寿乃はほっとする。
 だって、授業内容が分からなかったから。

 でも、安心している暇がない。

 寿乃の人生史上最大の勝負があるから。


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