[完] スマフォン忍者 HISANO
 これで、寿乃と王路たちの距離は六メートルほどになった。

 だが、それでも、昨日の夜練習した距離より短い。
 練習より距離が短ければ、力加減が変わってしまって、それがもとで失敗する可能性がある。

――まぁ、これ以上時間稼ぎしたら、遅れるし。
   しょうがないか・・・。――

 仕方なく、寿乃は胸ポケットからシャーペンを取り出す。

 そして、ピッチャー寿乃投げました!

 シャーペンは、まっすぐに王路に向かっている。

 そのまま王路の髪飾りに当たったぁ!

 寿乃から見て、右から左へとシャーペンは動き、そしてUターン。

 今度は寿乃に向かって飛んでいる。

 手を伸ばせるところまで迫ってきたら、華麗にキャッチ。


 寿乃は今何をしたんだと、皆さんは思うだろう。

 答えは、王路の髪飾りに盗聴器をつけていた。

 果たして本当についているのか。
 そっちの方が問題だ。


 

 
< 35 / 258 >

この作品をシェア

pagetop