[完] スマフォン忍者 HISANO
 それで、寿乃は瞳美に数学を教えるのだが。

「ここ分かる?」
「えっ、分かんない!!」

 呆れてばかり。

 忍者が数学できなきゃ困る。

 これじゃあ、論理的に作戦が練れない。これが命取りとなる場面もあるはず。

 将来忍者としてやっていけるのだろうか。

 寿乃はそんなことを心配しているのかと思ったら、


――はあ、仕事が増えた。――

 寿乃にとって、瞳美の将来より、今仕事ができないことが大問題。
 問題解いている間にチェックしようと思ったのに。
 質問攻めされると、それに答えなきゃいけないから、仕事ができない。

 しょぼん。
 寿乃の肩が急激に落ちた。

 そんな寿乃の感情に関係なく、

「ねえ、分かんない。教えて!」

 と、幼い子のように教えをせがんでいる。
 瞳美の様子を見ると、寿乃の心の奥深くから、イライラが湧いてくる。

 

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