[完] スマフォン忍者 HISANO
 武仁はそれに気に留めず、咳払いをして、

「さて、三人とも準備はいいかね。」

「寿乃ちゃん、棒。」
「あっ。」

 寿乃がぼおっとしている間に瞳美と啓仁は、落ちている棒を集めていた。

 寿乃はこれを見てまた落ち込む。


――また失敗した・・・。――

 でも、落ち込んでいる暇はない。

 この次は武仁に向かって、三人一斉に棒を投げる。
 そのために、今、棒を拾い集めてる。


――ここはひとつ、自分の得意分野を見せないと!――

 寿乃はそう自分に言い聞かせ、気を引き締める。

 
 三人は棒を拾い集め終わった。

 心の準備ができた。あとは合図を待つだけ・・・
 
「ちょっと待った。」

 っと言って、武仁が取り出したのは茶碗と懐紙に包まれた抹茶と茶筅(ちゃせん)。

 何するかと思いきや、いつの間にか近くに置かれていたポットから茶碗にお湯を取る。

 

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