[完] スマフォン忍者 HISANO
 七月になり、すっかり蒸し暑くなっている。

 肩の荷が下りた寿乃は、帰り道一人でとぼとぼ歩いている。

 くららとは途中まで一緒だが、今は別れている。

 
――あぁ、最初は本気じゃなかったのに。

   どうでもよかったのに。

   でも、殿に言われてから調べてみたら、許せなくなった。

   殿はこのこと見抜いていたのかな?

   それにしても、大変だったな。――

 ふぅっと深くため息をつき、また一歩歩く。

 この世の中、またいつ寿乃の身の回りで事件が起こるのか分からない。

 でも、もう二度と来てほしくないっと願っていた。


< 90 / 258 >

この作品をシェア

pagetop