ROSE~AI (ノンフィクション
絵を描く様になったのは、アタシが感情を見失ってから。


絵を描かなくなったのは、自分を見殺しにしてから。





幼少時代の頃


病気がちだったアタシは、日中のほとんどを室内で過ごしていた。


布団の中で眠っているか、リビングの隣の部屋に閉じこもって、クレヨンを握り締めてた。



リビングから聞こえるテレビの音。
母と父の話し声。



どうしても向こう側に行きたくて、そっとふすまを開けてみる。


その隙間から手を伸ばすと



「・・・!!!」



鈍い痛みが走る。


恐る恐るふすまの隙間から見上げると、光の向こう側。


父がアタシの手の平を踏みつけてた。


険しい顔をしながら、何度も何度も踏みつけた。




その度にギシギシと骨の軋む音がする。


痛くても声を上げる事さえ出来ない。


小さなアタシの手は、真っ赤に腫上がって、そのうちどす黒く変色した。




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