ROSE~AI (ノンフィクション
つい、ビクッとしてしまう。

どんな用件だか、勘繰ってしまう自分が居る。


一体アタシ、何に怯えてるんだろ・・・


~♪ ~~♪


携帯に手をのばし、恐る恐る耳元に運ぶ。


「・・・はい。」

躊躇う様に口を開いた。

「あ、俺。」

「・・・うん。」

いつもと変わらない口調で言った。

「明日、天気悪いんだってー」

「は?」

何だと思えば・・天気?

「明日、用事は?」

「ないけど・・・」

何だろ。

体の力が一瞬で抜けてしまった。

「じゃあ、雨が降ったら迎えに行くよ。」

「雨?」

「うん。降れ降れ坊主作っておいてね。」

「・・・・」

前から不思議な人だと思ってたけど・・

「降れ降れ坊主って何」

やけに冷めた口調でたずねるアタシに、那智は淡々と答えた。

「てるてる坊主を逆さにすんの。」

「そうなんだ・・・」

へー

「ん。じゃあ明日。雨が降ったら会いに行く。」

「・・・うん。」



電話を切った後、煙草をくわえながら、ベランダから空を仰いだ。


本当だ。


空はだんだん灰色に染まる。


「はぁ。」

溜まったものを吐き出すかの様に、一つ、ため息をついた。

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