ROSE~AI (ノンフィクション
ブー・・・ブー
ふいに
ポケットに閉まってあった携帯が震える。
「・・・・・」
美咲の携帯を奪って来た事を思い出した。
我ながら頭が働かない。
白井の番号を自分の携帯に移して来たらよかっただけなのに・・・
丸ごと持ってきちゃうんだもん。
馬鹿だ。
アタシ本当・・・馬鹿。
携帯を開いて画面を確認する。
{着信中 祐樹}
白井の言葉が頭をかすめる。
ブー・・・ブー・・・・
鳴りやまないコール。
「・・・・・」
ただ虚ろな目でそれを眺めていると
バンッ
勢いよくドアが開いた。
「・・・誰からだ。」
「・・・・・・」
白井の視線はアタシの手元にある携帯に釘づけになっている。
スタスタと大股で歩みよると、白井はアタシの手からそれを奪い取った。
「ふぅ~ん。ダメじゃん。」
ピッ
振動がとまる。
「切ったの?」
白井を見上げたアタシに
「へし折られなかっただけいーでしょ?」
そう言って笑った。
アタシはただ、アタシを見下ろして笑うこの男を
反抗的な目で、睨みつける事しか出来ない。
・・・同類・・・・
その言葉の真実。
わかったふりした今のアタシを嘲笑うかの様に
近い未来
心から後悔する事になる