ROSE~AI (ノンフィクション
「愛美さんだよね?家まで送るから乗って。」
「・・・・・」
家を出た途端、梅沢に声をかけられる。
「見張り役?」
皮肉を交えて尋ねたアタシに、彼は素直に答えた
「半分ね。」
「・・・そう。」
頷いたものの、じゃあ残りの半分は何なんだと聞きたい。
バイクの後ろに乗って、夜風をきり、走り抜ける。
冷たい風が頬に刺さる。
騒音も耳障りにしか感じない。
「とりあえず駅に向かえばいいかな?」
「うん。」
適当に相槌をうって、
グーッと空を見上げた。
あぁ。
月。
手をのばしても届かないあの月。
いつか見た
あの月だ・・・・
でも綺麗に感じないのは何でだ?
「落ちるよ?」
梅沢がハラハラした様子でアタシに言った。
「・・・そうだね」
その台詞は昔那智から聞いた。
駅についてからは簡単
「この道真っ直ぐ。」