ROSE~AI (ノンフィクション
約束の12時きっかりに迎えに来た梅沢は、
アタシを乗せて白井の元に運ぶ。


アタシはただ指示に従って、梅沢の後をついて行くだけだ。


惨めでしょうがない。



「白井が帰るまでこっちに居なよ。」


梅沢が指差した部屋は、あの古びた一軒家の一階の一部屋。


「アイツ居ないの?」

「うん。」

「・・・・」

少し不安になる。

そんなアタシの様子に気付いて、梅沢が言いずらそうに口を開いた。

「大丈夫だよ。祐樹達にはもう手出ししないと思うから。」

「・・・・・」

他人事みたく言われると腹が立つ。

自分だって祐樹の友達なのに。



てゆうか・・・・


ここへ来るのは二回目で、なかなか敵ばかりの中肝が据わったもんだけど


「ここ・・誰ん家?」


玄関らしき場所でパンプスを脱ぐものの、あまり素足では歩きたくない。


いつ気付かずに生ゴミを踏むかもしれない・・・


違う意味で恐ろしい。


部屋のドアに手をかけながら梅沢が答えた。

「白井ん家だよ。」

「・・・・・・」

へー

誰も掃除とかしないんだろうか・・・


バンッ!!


梅沢がドアを開ける前に、中から誰かが飛び出して来た。


「あぁーっっ!」

飛び出し来て早々、アタシを指差し声を上げる。


「・・・・・?」

誰だ。




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