ROSE~AI (ノンフィクション


「はー?何がぁー?」

とぼけた様に白井が首を傾げる。

「・・・・・」

何て言ったらいいのか、口ごもっていると


「まー最初は気まぐれだよー?」

白井がそう呟いた。

言いたい事をわかっているのかもしれない。


「多分俺、すげー大事な事を知りたくて、アンタを見つけたんだー」

「・・・・・」

そう言ってズルズルとキッチンにしゃがみ込んだ。

「本当はすげー寂しい」

「・・・・・」

「マジで好きになった女もいねー」

「・・・・・」

「仲間も信用できなかった・・・でも・・・」


「・・・でも?」

アタシは手を止めて、真横にしゃがんでいる、白井を見下ろした。


「もー全部解決したからいーんだ。」

「・・・・そう?」

少し、聞きたい事と違った気がしたけど。

初めて見た穏やかな笑顔だったから、まぁ、別にいいか・・そう思った。


その日も

段ボールの上に食器を乗せて食卓を囲んだ。


山崎が珍しく「美味い」って言ったから、アタシは少しだけ嬉しくなって、大盛にしてやったりして・・・


そんな風にくだらなく時間を過ごした。


そうやって過ごす時間が最後だとも知らず。



そして翌日。

運命の日をむかえる。



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