ROSE~AI (ノンフィクション

「ねーっせっかくあげたのに何あれ?酷くなぁーい?」


白井が膨れっ面で、ベットに寝転んだままカーテンレールを指差す。


「・・・・・」

アタシは無視して、床に座りこんだまま煙草をくわえた。


ん・・・?

白井、煙草変えたんだ。


床に置かれたアタシの煙草と並んで、マイセンライトがジッポとセットで置かれていた。


「ねー!聞いてるー?」

「・・・・・」

うっさいな・・・

仕方なく振り返ると、白井がカーテンレールにぶる下がったソレを、指で突いてブツブツと文句を言っている。


「ドライフラワーだよ」

溜息まじりにそう答えた

「ドライー?」

「生花を逆さまにして吊しておくと、ドライフラワーになるんだ。その方が長く形に残る。」


小さく揺れる薔薇のブーケに視線をうつす。


白井はわかってんだか わかってないんだか。

「へー、散るから花は綺麗なのにねー」

寂しそうにそう呟いた。






< 222 / 366 >

この作品をシェア

pagetop