ROSE~AI (ノンフィクション

「・・・・・・」

アタシを抱き上げてた腕をのばして、そのまま持ち上げる様に軽々とアタシをバイクに座らせた。


那智も黙ってバイクにまたがる。


「おかえり」

「・・・・・」

隣に並んだバイクから、竜がアタシに声をかける


アタシは黙って少し微笑んだ。

「ごめんなさい」

那智の背中に呟く。


何に対して

アタシは謝ってるんだろ



「愛美ちゃ!!」

那智がバイクのキーを回したと同時。


リアが家から駆け出して来た。


泣きべそをかきながらアタシを見る。


「リア・・・・」


「乗りな。愛美ん家連れてったらいいか?」

祐樹がリアとアタシを交互に見た。

「・・・うん。」


ここに女の子一人で残してはいけない。




倉木が一斉に走り出す


それからすぐ。


ウゥ~・・・

ウゥ~ッ・・・・


ふいに、遠くからサイレンの音


「・・・・・」
パトカー?
那智の背中から身を乗り出して反対車線に視線を向けた。


何台かのパトカーが、赤灯を回してすれ違って行く。


「通報した。」

バイクを走らせながら、那智がそう呟いた。

「・・通報って・・」

「あんだけ騒いでたら、誰が通報したかなんてわかんないでしょ。」

「・・・・・」

「だから大丈夫だよ」

「・・・・・・」

那智は少しだけ振り返って、またすぐに視線を戻した。





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