ROSE~AI (ノンフィクション
「・・・・うん。」
小さく頷いて冷蔵庫の扉を閉める
冷蔵庫の照明さえ消えた部屋は、微かな月明かりだけ。
それに照らされた那智の顔は、凄く綺麗で悲しげに見えた。
「俺も。お前のせいで寝れない・・・」
「・・・・・」
そう呟いて那智は、深い溜息をつき、両手で顔を覆った。
黙って去ろうとするアタシの背中に、那智が話しかける。
「後悔してる?」
「・・・・・」
後悔・・・?
ゆっくりと振り返ると、那智が真っ直ぐにアタシを見た。
「戻って来た事。後悔してる?」
「・・・・・」
後悔なんて・・・・
そうは思っても言葉が出ない。
「俺はしてないよ。無理矢理にでも連れて帰って良かったと思ってる。」
「・・・・・・」
那智の視線がアタシを捕らえて離さない。
「そうでもしなかったらお前、二度と戻らなかっただろ?」
「そんな事・・・」
言いかけたアタシの言葉を遮る。
「覚えてる?公園であの時言ったこと・・・」
「・・・・」
・・・・
いい加減諦めなよ・・・
・・・・
お前は俺の事・・・
・・・・・
・好きなんだって・・・
「知ってる?何であんな事言ったのか・・・」
「・・・・」
目を細めたアタシに、那智が言い放った。