ROSE~AI (ノンフィクション
駅ビル最上階
「「ありがと~ございました~っ!!」」
電気屋の店員に盛大な見送りをされながら
新しい携帯片手に店を出た。
エスカレーターでくだる途中。
「・・・・・あ。」
「・・・・・?」
呟いたアタシに、前にいた母が不思議な顔をして振り返った。
「店、見てきたいんだけど・・・」
「ああ、じゃあお母さん仕事だからここでお別れね。」
「ん、ありがと」
「じゃあね?」
背を向けてエスカレーターに足を踏み出す。
その、母の後ろ姿に・・・
「いってらっしゃい」
小さく呟いた。
まるで聞こえてなかったけど。
アタシはそれだけで、
何だかやり遂げた気分になってた。