ROSE~AI (ノンフィクション

カラン カランー

正午過ぎ


「「いらっしゃいませ~っ!!」」


店の扉が開く。

声を揃えて振り向いたアタシと竜を見て


「「・・・・・・」」

「何その格好・・」


ア然としている皆と、
アタシを指差す祐樹がいた。


「・・・・・っ」

忘れてた・・・
変な格好してたんだったアタシ・・


「制服可愛いでしょ~?座って座って!」

竜が皆を二つの席に案内すると、マスターに声をかける

「友達なんだ~サービスしてねマスター♪」



「・・・・・・」

無言で水をテーブルに出すアタシに、雅や美咲が冷やかしの声をかける。

「可愛い~よ愛美っ」

「何のコスプレなのそれ」

「・・・・・・」

早く帰って欲しい。


「何食べる?」

そう言ってメニューを差し出し顔を上げた時。


「・・・・・・?!」


「・・・・・・」

那智と視線がぶつかる

口元に微かな新しい傷。


フッと視線をそらした那智のかわりに、隣に居た祐樹が苦笑いでアタシを見た。


「こいつら喧嘩してやんの。無駄に図体デカイから止めんの大変だったぜ」

「・・・喧嘩?」

「祐樹・・・・」

アタシが尋ねると同時、那智が遮る様に祐樹を睨む。


祐樹はバツが悪そうに、肩をすくめてから隣のテーブルを指差した。


「・・・・・」

視線を向けると、左瞼の青くなった高貴が、ブスーッとしながら煙草をくわえていた。




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