ROSE~AI (ノンフィクション
バババババ・・・
ババババババ・・・
梅沢のバイクで、家まで送ってもらう途中。
ブレザーのポケットで携帯が震えた。
ブーッ・・・ブーッ
ブーッ・・・・
何気なく開いた携帯の画面を見て・・・・
思わず手から落としそうになる。
{着信中 那智}
「・・・・・・」
それを握りしめたまま、しばらく眺めて
またポケットに戻した。
「電話ー?とまろうか」
梅沢が少し後ろを振り返る
「いや・・・いい。」
そう答えて、目を伏せた
勇気がね?
出なかったの。
何でだか、あの日
那智の手をほどいてしまった時から
那智とアタシの間に
うっすらと膜が張った様な感覚。
一度素直になれば、
そのまま素直でいられるわけじゃない。
タイミングを逃したアタシ達の未来は
きっとこの時点から
決まっていたものだったんだね・・・・