ROSE~AI (ノンフィクション
最終章 季節の終わり


「・・・・・・」

寒気がして目が覚めた。


隣で寝ているはずの那智が居ない事に気がついて、アタシは勢いよく跳び起きる。


「・・・・那智?」

狭い部屋の中、小さく呼び掛けてみても返事はなく。

急に不安になったアタシは、慌てて部屋を飛び出した。


バンッ!

部屋を出てすぐに、玄関先に置かれた那智の靴を見つけて少し安心する。


ふいに・・・
リビングからの賑やかな笑い声が聞こえて・・・


すんごく
「嫌な予感・・」



リビングのドアノブに手をかけた時

気付いた・・・・


「・・・・・・」

那智から貰った指輪がない・・・

左手の小指に、妙な違和感。


ずっとつけてたのに、体の一部がなくなった感覚

急に気持ちが沈んでいく


落とすはずない。

那智が外したんだ・・・





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