ROSE~AI (ノンフィクション
23時30分。
竜の家を出て、各自バイクにまたがる。
「お前は那智のケツ!」
出遅れたアタシに、雅がビシッと言い放つ。
「・・・・・」
嫌だなんて言えない。
気まずいだなんて尚更言えない。
もたついてる間に、那智意外のバイクは先に走り出した。
「公園でね~っ!!」
高貴の後ろに乗った美咲が、楽しそうに振り返り手を振る。
「・・・乗りな?」
「・・・・・」
困った顔したアタシに、那智がバイクにまたがったまま、後ろを指差した
「・・・・うん」
頷いて、言われた通り那智のバイクに乗ると、すぐにバイクは走り出す。
アタシ達の
いつもの場所に向かって
坂を上りきる直前
違和感を覚えた。
公園の入口にバイクを停車してみるものの・・・
「ねぇ・・皆・・」
「・・・いないね。」
アタシがそう言い切る前に、那智が溜息まじりに答えた。
「・・・・・・」
やられた・・・
いつかの竜の言葉を思い出す。
まんまとアタシと那智は、はめられたらしい。
急いで携帯を取り出そうとしたアタシの手を・・
「いいよ。電話しなくても・・・・」
「・・・・・」
那智が止めた。