ROSE~AI (ノンフィクション


「愛美は東京で。俺はこっちで・・お互い大人になって、またどこかで出会えたら・・一からやり直せるかな?」


「・・・・・」

那智は細く笑って

アタシを真っ直ぐに見下ろす。


「一から・・・?」

揺れる。

アタシの中の何かが。


「うん・・最初から。また出会えたら、その時は・・・初対面みたいにしてさ?」


「・・・・・うん」

アタシは小さく頷いて、少し微笑んだ。


「それでまた、恋におちたら・・・その時はまた・・これ、渡すよ。」


那智は微笑んで、胸元の指輪に視線を向けた。


「・・・・うん。」

アタシはもう一度、小さく頷いた。


揺れる。

アタシの中の何か。


寄せてはかえす・・・

波みたいに


アタシの中で揺れ続ける


そしていつかさらわれる日を願う。


那智への想いはきっと
変わらずにアタシの中で揺れ続ける。








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