ROSE~AI (ノンフィクション
「いつか会社を立ち上げる!」
「会社?」
雅が首を傾げると、祐樹は誇らしげに言った。
「そう。建設会社!そしたら那智も雇ってやる」
「勘弁・・・」
苦笑いした那智の声は、どうやら祐樹には聞こえなかったらしい。
「はい!俺。」
ベンチに座ったまんま、雅が片手をあげる。
「俺は来年からちゃんと働く。皆に追いつける様に頑張る!」
皆がその言葉に頷いた。
何だか、今の雅なら本当に頑張れる気がする。
「じゃー俺はぁ・・・」
乗り気じゃなかった竜が怠そうに呟く。
「経営学を学ぶ!そろそろ親父の手伝いかな?」
少し前まで感じてた、未来が決まってる竜への同情する様な気持ちは
今の竜の顔を見て消えた
優しい穏やかな笑みで、実際本当は満更じゃないんだと思う。
親孝行な奴だ。
「んじゃー俺。もっと勉強して東大でも行くかな~・・・」
1番真面目な勇チャンが、流す様にそう言って笑ったけど・・・
本当に実現させそうである意味怖い。
「俺は年明けニューヨークに行く。もう逃げたりしない・・・・」
しゃがみ込んだまま、高貴が顔だけ上げてそう言った。
うん。
頑張って・・・・
高貴のバイオリン、本当に好きだった。
心から、応援してる。