ROSE~AI (ノンフィクション


「いつか会社を立ち上げる!」


「会社?」

雅が首を傾げると、祐樹は誇らしげに言った。


「そう。建設会社!そしたら那智も雇ってやる」


「勘弁・・・」

苦笑いした那智の声は、どうやら祐樹には聞こえなかったらしい。


「はい!俺。」

ベンチに座ったまんま、雅が片手をあげる。


「俺は来年からちゃんと働く。皆に追いつける様に頑張る!」


皆がその言葉に頷いた。


何だか、今の雅なら本当に頑張れる気がする。



「じゃー俺はぁ・・・」

乗り気じゃなかった竜が怠そうに呟く。


「経営学を学ぶ!そろそろ親父の手伝いかな?」


少し前まで感じてた、未来が決まってる竜への同情する様な気持ちは

今の竜の顔を見て消えた


優しい穏やかな笑みで、実際本当は満更じゃないんだと思う。

親孝行な奴だ。



「んじゃー俺。もっと勉強して東大でも行くかな~・・・」

1番真面目な勇チャンが、流す様にそう言って笑ったけど・・・

本当に実現させそうである意味怖い。


「俺は年明けニューヨークに行く。もう逃げたりしない・・・・」

しゃがみ込んだまま、高貴が顔だけ上げてそう言った。


うん。
頑張って・・・・

高貴のバイオリン、本当に好きだった。

心から、応援してる。




< 352 / 366 >

この作品をシェア

pagetop