ROSE~AI (ノンフィクション


「那智は?」

高貴が那智に目配せすると、那智はビクッとして自分を指差した。


「俺っ?俺は・・・早く大人になりてぇ。」


「はっ?」

苦笑いした那智に、怪訝な表情を浮かべる高貴。


「愛美は?」

竜チャンがアタシに微笑みかける。


アタシは・・・・


「アタシは・・・皆と離れても、ちゃんと前を向いて歩ける人間になる!!」


恥ずかしくて俯きながら、でもハッキリとした口調で言った。


「・・・・・」

その言葉に、倉木の皆は一瞬顔をしかめたけど・・・・・


「私っ!!」

美咲が勢いよくベンチから腰を上げる。

それに皆目が釘つけになって・・・

何とか突っ込まれるのは避けられた様だ。



「私はっ!!」

「・・・・・」

声が裏返った美咲に、思わず不安げな視線を送ってしまう。


「わ、私は!高貴に振り向いて貰える様に頑張るっっ!!!」

暗闇でもわかる。

真っ赤な顔して美咲はそう言い切った。


「「「えぇ~っ!?」」

「ま、マジ・・?!」


「本気でっ!!??」


皆してそれぞれに驚きの声を上げる中


当の本人、高貴は柄にもなく顔を赤らめて目を点にさせてた。


「「・・・・・」」

アタシは竜と、無言で視線をあわせて笑いあう。


頑張ったね?
美咲。



「やべっ!年明けんぞ」

祐樹が携帯を開いて、慌てて声を上げた時・・




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