ROSE~AI (ノンフィクション
「行くわよ?」
車の中、父親になったその人の横で、母がアタシに声をかける。
「うん。」
アタシは後部座席に座って、流れる景色をただ眺めた。
移り行く町並みの中、懐かしさが込み上げてくる
年明けを最後にして、まず先に高貴がここを去って行った。
一人欠けた倉木は、やっぱりどこか物足りなくて、皆いつもみたくはしゃいでたけど・・・
きっと薄々気付いてた。
アタシ達はきっと、大人
の階段を上りかけた。
最初の一歩の所に居る。
そして次にアタシがこの町を去る。
引っ越す事を告げた時、皆たいして驚かなかったのは・・・
わかってたんだね?
あの日のアタシの言葉で
今でも繰り返し、心の中で呟いてるよ?
アタシは・・・皆と離れても、ちゃんと前を向いて歩ける人間になる!!