ROSE~AI (ノンフィクション
「暇人って!!!」
女は大学のテラスで、グッと携帯を握りしめた。
「まぁまぁ。」
その横で、物腰の柔らかな男が女を宥める。
「ぶーっっ」
まだ怒りがおさまらない様だ。
よっぽど電話の相手に言われた事がムカついたらしい。
「あ、今日届けに来るんだっけ?」
並んだベンチから身を乗り出して男は女に声をかける。
「あっ!そうなのっ!」
パーッと顔を明るくして
女は笑った。
「じゃあ久々に会えるね?」
「うんっ♪」
彼が振った話しに、女は上手い具合に上機嫌になる。
昔から扱い方は心得ていた。
あまりの仲の良さに、大学ではしょっちゅう恋人同士に間違われる。
でも決してそうではない
かけがえのない仲間。
その言葉がしっくりくる
こう見えて男の成績は学年トップ
女は二番手。
人は見かけによらない。
「あ、じゃあメールしとこぉ~っと。早く渡したいもんねっ♪」
女はご機嫌で携帯を開くと、苦笑いをする男をよそに、メールを送信した。