ROSE~AI (ノンフィクション
交差点の向かい側


一人の男が、首元のネクタイを緩めながら、空を見上げていた。


月を見ると想い人を思い出す。

シャツの隙間から見える、細いチェーンが光る。


その先には小さな赤い石がついた、指輪が通してある。



もしも・・・

もしもまた偶然に


交差点とか、
駅のホームとか・・・


偶然また出会えたら


あの頃の俺らも

それから先の未来も


きっと・・・

運命だって、

そう思っていいんだよな・・・・・?





信号が青に変わる。

一瞬で人波にのまれる。



女は大事そうに、紙袋を抱えている。

中身は親友にデザインを頼まれた、結婚式の招待状。


男はジャケットの裾をめくり腕時計に視線を落とした

仲間との待ち合わせには少し早かったか・・


それでもとりあえず足を進める。



二人は交差点の真ん中


すれ違う。


互いの存在すら気付かずに・・・・


この二人が、再び見つめ合い


また出会うのは・・・・


ほんの少し

先の未来・・・・・






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