ROSE~AI (ノンフィクション
「あ、愛美・・・・」

教室を出る間際、千田が何か言いたそうにアタシを呼び止める。


「何?」

立ち止まって千田を見ると、アタシの拳を指さしてた。

「保健室・・・行った方が・・・」


あ・・・

右手の拳、皮がめくれて血が流れていた。


「大丈夫。ありがと」


そう答えると、アタシはそのまま学校を出た。



その傷は途中、何度も痛みはじめたけど、


アタシは痛みにはなれてるから。


大丈夫。


痛くない 痛くない。


昔そうやって言い聞かせてたのを、ふと思い出して一人苦笑いを浮かべた






< 51 / 366 >

この作品をシェア

pagetop