ROSE~AI (ノンフィクション
幸い病室は個室だったが、遠慮がちに携帯を耳元にはこんだ。


「はい・・・」

「もしもーし。アハハッ生きてたんだー?」

「・・・・・」

由美じゃない。

怪訝な顔をしたアタシに、心配そうに那智が体を前かがみにする。


「由美が居るからさー、大丈夫だと思ってたんだけど、アンタ由美売ったんだ?」


唐突に電話先の男は、そう切り出した。


オチャラケた声についカチンとくる。


「何の事?」

「ハハハッ!警察だよー。通報したんでしょ?」

「・・・・」

「いいよ隠さなくてー。アンタのお友達に今電話して聞いたから」

「祐樹は?」

「まぁまぁ落ち着こうよっ?とりあえずさぁー由美がお話ししたいらしいから。」

「・・・由美が?」


「んじゃあさ、梅林中まで来てくれる?てかまぁ、来なかったら来なかったで俺は楽しいからいいけど」


「ちょっ・・・」


「梅林19時。いいね?」


ブツッ・・


ツー・・ツー・・・


「・・・・・」


一方的にきられた携帯を力強く握りしめ





ガシャン!



思いきり壁に投げ付けた。



電話の男はきっと・・・



「・・・白井・・」




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