パパ、分かってください
武器は向こうで支給される。
それは、不法行為を未然に防ぐためでもあった。

兄さまが試験場まで
ついてきてくれることになったのでいくらか安心した。

パパはこの日、非番だったのだが、
たまった仕事があるみたいで、来られないそうだ。

ママにも手伝ってもらうらしい。


「頑張るんだぞ、アミ」

「はい、兄さま。決して、家に恥をかかせません」

ボクがそう言うと、兄さまはどこか寂しそうに目を細め、


「女であるお前が、そこまで騎士団に心を奪われるとはな……。
どのような道だってあるだろうに」


とため息まじりにつぶやく。
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