パパ、分かってください
「あっれ~、アミちゃんだ!
騎士にでもなるつもりなの~?」

近くで軽薄そうな女の子の声がする。


ボクは残念ながら、この声の主をしっかりと覚えていた。


「あたくしもなのぉ。よろしくねえ~。
あ・み・ちゃん!」

軽薄さに甘ったるさまでプラスされたこの声は、
聞くものをいらだたせる。

「クリスティーナ様……あなたのようなお方まで……?」


クリスティーナ・オークランドさんは17歳の貴族のご令嬢だ。

ボク達みたいな武術の家系ではなく、元老院や神祇官への輩出が主の
オークランド家の姫様が何故騎士団の試験など受けに来ているのだろうか。
< 28 / 44 >

この作品をシェア

pagetop