キミの言葉、ボクの声

…‥ねぇ、キミは覚えてる?

遊ぶのに夢中になって、キミとはぐれちゃった時のコト。


いつもの公園じゃなくて、少し遠い河原まで行ったもんだから知ってる人も全然いなくって。
帰り道も解らなかった。


ボクはキミを探して、キミもボクを探してくれて。


どれぐらい時間が経ったのだろう。
お互い出会った時は、太陽が沈みかけていて朱く空が染まっていたね。


ボクは泥だらけで、キミはあちこちに擦り傷を作って。
ボロボロなボク達だった。

――だけど、




「リョウ‥!あいたかったよー!」




ボクを抱きしめたキミの手は優しくて。
頬を伝う涙はとても、綺麗だった。
夕暮れで真っ赤に染まる世界の中にキミの涙が、キラリと輝いていたんだ。



ボロボロなボク達。
だけどキミは、
どうしようもなくキレイだった…。



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