モノクロ思考
ジャキ…


少し錆びた刃の奏でる鈍い音と共に、栗色の束が床に落ちる。

手は面白いほどに次から次へと動いた。


それは、あっという間の出来事で。


数分前まで女だったはずの私は、
もはやモンチッチとしか言いようがないほどの姿へと変貌を遂げた。

鏡に写った自分は、我ながら傑作だった。

いや、さらに傑作だったのは、
それを見た彼氏の引きつった顔だ。
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