モノクロ思考
彼は高校のセンパイで、一ヶ月ほど前に下駄箱の前で声を掛けられた。
「ねぇ、君さぁ。」
ローファーに手をかけたまま目線だけ横にずらすと、緩めのパーマの背の高い男が立っていた。
「つまらなそうな顔してるなー。俺が友達になってあげよっか?」
あっけにとられたあと、私は小さく吹き出した。
なんて失礼で、チャラくて、変な人なんだ。
最初はからかってるだけかと思ったけど、その日から本当に先輩は毎日私の前に現れるようになった。
自由奔放な彼は、私の都合なんてお構い無しに色々な所に連れ回した。
友達から彼女へと昇格。
今日は三回目のデート。
今、流行りの映画を見るはずだった。が、待ち合わせた駅で彼はまさしく「開いた口がふさがらない」という状態で。
映画は取りやめになった。
「俺、お前が何考えてるのかわかんねーや。」
・・・そんなの、私だってわかんないよ。
去っていく彼の後ろ姿を眺めながら、
自分の馬鹿さ加減に自嘲する。
・・・彼は変な人だったけど、きっと良い人だった。
「ねぇ、君さぁ。」
ローファーに手をかけたまま目線だけ横にずらすと、緩めのパーマの背の高い男が立っていた。
「つまらなそうな顔してるなー。俺が友達になってあげよっか?」
あっけにとられたあと、私は小さく吹き出した。
なんて失礼で、チャラくて、変な人なんだ。
最初はからかってるだけかと思ったけど、その日から本当に先輩は毎日私の前に現れるようになった。
自由奔放な彼は、私の都合なんてお構い無しに色々な所に連れ回した。
友達から彼女へと昇格。
今日は三回目のデート。
今、流行りの映画を見るはずだった。が、待ち合わせた駅で彼はまさしく「開いた口がふさがらない」という状態で。
映画は取りやめになった。
「俺、お前が何考えてるのかわかんねーや。」
・・・そんなの、私だってわかんないよ。
去っていく彼の後ろ姿を眺めながら、
自分の馬鹿さ加減に自嘲する。
・・・彼は変な人だったけど、きっと良い人だった。