モノクロ思考
それにしても、寒い。

マフラーは、何色を買おう…


そんなことを考えながら、私は首をすくめ家路を急ぐ。

が、その直後、ぴたりと足を止めた。

「…石田…?」

少し癖のある髪。
親指だけポケットに入れる癖。

それは間違いなく、石田だった。


「おー、西村ぁ。って、なにその頭っ!!モンチッチかよっ(笑)」

突然現れたモヤモヤの元凶が、豪快に私の髪を笑い飛ばす。

急激に顔の温度が上昇していくのがわかる。

半ばヤケクソで、何か言い返してやろうと顔をあげた。



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