モノクロ思考
しかし、そこにあった石田の顔も相当ひどい。


頬には引っ掻き傷、
顎から首にかけては火傷のような赤い跡

白いシャツは茶色い液体で斑に染まっていた。

「あんたこそ、それどーしたの?!」

思わず駆け寄り私に、あぁ、これね。と、シャツの裾を摘んで、石田はへへっと笑う。


「コーヒーかけられた。」

「はぁ?」

「彼女に別れて欲しいって言ったら、コーヒーかけられた。」

なんで?なんて聞く暇を与えないくらい、今日の石田はよくしゃべった。

「しかもアイツさぁ、熱々のホットコーヒーかけやがったんだぜ?!普通そこは水だろ水っ(笑)
カッコ悪ぃよなー、おれ。」


< 8 / 11 >

この作品をシェア

pagetop