王子様と秘密ごと




「な…何故!」


「うるさい。教室で猫かぶってんの?」


「は…!?」


「こっちのが面白いなお前。はは」


私に猫かぶりなのかと質問をしてきたイチゴオレ。

おかしい。根本的に何かがおかしい。



私は猫を被っているわけではない。ただただ平凡に。

面倒なことに巻き込まれたくないから騒いだり問題を起こしたりしたくないだけ。それは普通のことだと思う。



なのに…。この人は何を言ってくれるのか。

大体今私の感情が高ぶっているのはこの男のせい…!



昨日あんなことがなければ。

弱みさえ握られてなければ…!




「ほら。初心って顔が面白いよね。顔が」


「は…!」


「リアクション芸人、的な。ね」


弱みを握っていることをいいことに。

自分の顔が整ってることをいいことに。



かわいらしい女の子といえなくても…それでも女の子な私を。


リアクション芸人、と名づけて爆笑するそこの男。



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