王子様と秘密ごと




そんな波岡くんを知る女子たちのルールなんて関係なく、

波岡くん自身はそんなことへの興味は皆無だったと思う。



爽やかで頭がよくて綺麗でスポーツもできて。

だけど少しそっけなくて。

でも王子様だったんだと思う。



私もそう思っていたから、

悪魔と化している今の波岡くんを信じることができなかった。


だって他人になんて興味なさそうだったから。




「何が目的って…脅し、かな?」

ふわり、と笑う彼がそこにいた。



好きでなくてもその笑顔には目が引かれた。


でもその笑顔からは想像できないような発言。




脅し…って…!

ゾクゾクっとする。お金、お金でも取るの?


あいにく私の家は超一般家庭。

何故かおにいちゃんの方がお小遣いが高くて私のお小遣いなんてたかがしれてる。


まだ私は高校生になったばかりって言うか、
高校生活が始まってちょうど1ヶ月くらい。


だからまだムリだけど夏休みになったら小遣い稼ぎがてらバイトしようかなって思ってたところ。もちろん自分で使用するため。




…てことは。


「お、お…お金ですか…?」








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