∇TAB00〜その先にあるもの〜∇
「…あの…」
「…∑
あ、すいません.
この学校の水泳部の方でしたか.」
そういって彼は
私のかばんから
転げ落ちたのであろう
ゴーグルをひろいあげ
私に渡してきた.
「あ、ありがとうございます.」
「いいえ.」
そういって
その人の顔を見上げると
どこかで見たような
気持ちになった.
あれ、
まさか
この人…
「それでは
私は用があるので.
すみませんでした.」
そういって
彼は歩いていった.
「ねえ、
あの人って…」
那智が口をひらいた.
「「…朝倉啓だよね!!」」
見事にハモった.
そうか、やはり
あの人は
私の唯一尊敬に
値する人物だ.