本当の僕を愛して?
入院して1週間…
特に異常が見つからなかった僕は、退院する。
荷物は何もない。
だから用意するものも特にない。
僕はベッドに座って病室を見回す。
貸し切り…か…
僕の孤独な空間。
何処にいてもこの感覚は変わらない。
教室でもこんな感覚がした。
こつんと一人。
誰も僕を見ない。
僕に話し掛けない。
何処にいても僕は…
“いない”んだ。
でも兄さんと2人で居るときだけは、こんな気持ち感じなかった。
兄さんだけが僕の“孤独”を無にしてくれた。
でも兄さんはもう
“いない”
僕はそして最低な奴さ。
兄さんはもぅ居ないのに
兄さんを演じようとしてる。
九条の為…??
そんなの僕の言い訳にすぎない。
本当は…
僕の為。
僕は兄さんが居ないなんて
信じたくないんだ。
孤独なんて
決して良い事ではない。
自分自身を保つため
僕の中に居るって…
思い込みたい。
それは僕のエゴで…
兄さんは
どう思ってるんだろうね。
「あきれて…何も言えないんだろうな…きっと…」
そぅ…
もう居ないんだ。
「本当に一人だなんて…」
涙が自然に零れる。
泣いたのはいつ以来??
でもこんなに
静かに泣いたのは
初めてなんじゃないかな??