本当の僕を愛して?
「…すまない…」
『い…いいのよ』
九条の顔は
白雪姫が食べた林檎のように
赤かった。
“すまない”
本当に
この一言だけで済むのか。
もしも九条が
全てを知ってしまったら…??
こんな言葉で
償えるわけがない。
『あのさ、迪流??』
九条は下を向きながら
口をゴニョゴニョ動かす。
『しばらく…ぅちで…』
「しばらく…??」
『しばらく家に来ない?』
九条は一度目をあわせると
また下を向いた。