本当の僕を愛して?
歪んだ隙間に
結局、
僕は九条の家にお世話になることになった。
九条はあの有名な
“九条グループ”のご令嬢。
九条の家には一度しか行った事がないが、今でも新鮮に覚えている。
だからか…
足を踏み入れるとまるで
幼い頃に時を戻したみたいだ。
広い豪邸。
ガーデニングされた庭。
上品な使用人たち。
幼い僕には
とても羨ましかった。
そして小さいころの僕が最も憧れた事は、家族全員がとても仲が良い事。
僕の両親は離婚。
原因は母親だった。
父がいない日に何度も家に父でない男を連れ込んで、ある行為をしていた。
その行為がなんなのか、
知りたくて父に口を滑らせたのは僕だ。
つまり、考え方を変えれば僕が原因でもあるんだ。
━━━━━…なんて
随分昔の事を
思い出してしまった。
それも
懐かしいココのせいかな…??