本当の僕を愛して?
さっきの執事が
使用人に命令を出す。
「ルキとマキはお嬢様の稽古の支度を。」
『はい』
そう言うと
とても美人な長髪のメイドが九条の荷物を持った。
『ルキ、ありがとう。』
長髪のメイドがぺこりとお辞儀をすると、もう一人の短髪のメイドが九条を誘導する。
『今日は先生が応接室にいらっしゃる予定でございます。』
『そう。マキ、先生を迎える準備をして』
九条は僕に、お先に
と手を振った。
「そして、アランと私は南波様を案内する。その他はキッチンの当番表に基づき仕事するように。」
『はい』
そう言うと僕の前に
さっきの執事と英国の少年のような執事がやってきた。
「さぁ行きましょう」
執事に案内され、屋敷の中を歩く。とても広くて迷子になりそうだ。
「こちらが南波様のお部屋です。」
扉を開くとそこは何処かのテレビで見た高級ホテルのような作りだった。
「私はこれから用があるので、何かございましたらそちらの執事にお申し付けください」
「ありがとうございます」
執事はにこりと笑いお辞儀をすると部屋からでた。
「南波様、何かお飲み物はご所望でありませんか。」
英国の少年が微笑みながら話かけてきた。
ちょうど喉が渇いている。
頼んでみようかな…
「では、紅茶をお願いします」
「かしこまりました。」
そう言うと
てきぱきと少年は行動してあっという間に紅茶を入れてみせた。
僕とそんなに歳が変わらないのに凄いと思う。
「あなたは飲まないのですか…??」
僕が問うと
「僕は使用人の身ですので…」
と少しぎこちなく言った。