本当の僕を愛して?
「僕は…━━━━」
「はい」
アランは
初めて自分で作った友人だ。
僕がつくった友人なのに世間的には兄さんの友人。
兄さんの代りをするって事はそーゆーことだ。
メリットがあれば、その裏には必ずデメリットがついてくる。
僕はあの日から
もぅ“埜択”でなくて
“迪流”になったんだ。
でも…
でも…
「南波って呼んでください」
アランは首を傾げた。
「南波様のお名前は…??
僕は忍さんから名字しか聞いていませんので…
その…名前では呼んではいけませんか…??」
アラン…
すまない。
少し考えさせてくれ…
僕は自分で選んだ。
“迪流”として生きていくこと。
でも君とは…
“埜択”として
接したいんだ…
本当に虫のいい話。
「実は記憶がなくて…自分が本当は誰だか分からないんだ。でも、南波ってのは不思議と分かるんだ。僕の本名は僕の記憶が戻った時からじゃ…ダメか…??」
アランは
少し懐かしむ顔をすると
僕の近くに座った。