本当の僕を愛して?


「実は僕も昔、記憶がなかったんだ。だから…キモチ…分かるよ??」


そう言うと
アランは微笑みかけた。


「あ、申し訳ございません。
ついついタメ口で…」


申し訳なさそうに
慌てている。

「タメ口でいいよ。それに様なんか付けないでくれ…」


アランは落ち着いて
ゆっくり話した。


「な…南波…」



何処か恥ずかしそうで
そして申し訳なさそうな声なのにとても嬉しかった。


沢山の人に南波と呼ばれ続けたけど、友人に名前を呼んでもらえるのが、こんなに嬉しいなんて…


「アラン…これから宜しくな…」



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