本当の僕を愛して?
「ここ…覚えてる…??」
そこは小さい頃の
僕たちの秘密基地。
九条、兄さん、僕、そして…
しかし今は雨で土砂崩れがあり、立ち入り禁止の場所だ。
『おぉー、懐かしいな…』
「ここでかくれんぼした時から僕は九条の気持ちに気付いていたんだ…」
『埜択…??』
「兄さんも知ってるだろ??九条のキモチくらい…なのに…今日…何で…」
兄さんは少し黙ると僕の手をひいた。
『少しだけ思い出の場所に行くか、埜択』
兄さんは立ち入り禁止のロープを跨いだ。
「…は…兄さん!?そこ立ち入り禁止…」
『隊長の俺が許可しまぁーす』
そう言うと僕のポケットから生徒手帳を取り出し自分の胸ポケットに入れる。
「…は…意味分かんね…ちょ…兄さん!?」