いつも突然な君《番外編》
「ひゃっ…や、やだぁ!!」
先輩の手が、慣れた手つきで動く
「…もう、許さない…」
栗林が先輩を睨む
私が睨まれてるわけじゃないのに、寒気が走った
それくらいの迫力があった
「許さない?言っとくけど…俺強いよ?その覚悟があんならかかって…っ!!」
先輩が栗林に向けて、発した言葉は、途中で凄い打音とともに途切れた
そして、さっきまで私に被さっていた先輩の姿は消えて、今私の視野にあるのは…
先輩を殴った本人…
栗林の後ろ姿だった
「俺は先輩以上に強い自信があるよ」
今、目の前にいるのは、本当にあの栗林なの?
冷たい瞳
怒りに満ちた声
私が怖くなるほどのオーラ
本当に…栗林?