いつも突然な君《番外編》
「あんなこと…されたのに…コイツを庇うの?」
冷たい声で、先輩を見ながら栗林は言う
「違う!こんなヤツ、栗林が殴る必要ない!」
お願い…これ以上、私の知らない栗林にならないで
「い…今の栗林ッ…怖いよぉ…やだよぉ…」
私が泣きながら言うと、やっと私を見てくれた栗林
驚いたような
戸惑ったような
そんな顔をしている
もう、怖い顔はしていない
「あっ…!」
私達が、そんなことをしているうちに、先輩はそそくさと逃げて行った
一瞬追いかけそうだった栗林を、ぎゅっと腕に力を入れて止めた
それが分かったのか、栗林は私を振り払ってまで、追いかけようとはしなかった