いつも突然な君《番外編》

美羽ちゃんが行ってしまって、しばしの沈黙


『あのさ、葉音』

『だから、何だよ』


我が弟ながら、怖い…

でも、負けちゃ駄目だ


『仲直りしないか?…血の繋がった唯一の兄弟だしさ』

『最初に拒絶したのは、そっちだろ』


確かに…
そう言われると何も言えなくなる

事実だから


『あの時は、本当に悪かったって思ってる…でもあの頃の俺は』

『兄ちゃんも、大変だったんだろ?…新しい家族に馴染めなくて』


俺が言う前に葉音が言った

驚いて葉音を見ると、その顔は穏やかだった


『美羽から聞いた。だから、もういいよ。俺には美羽がいるし。それは、許してやる』


弟のくせに、超上から目線…

昔と変わらないなぁ

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