天才ハッカーと助手
私たちの部屋は地下にあって
外部からの電磁波の影響を受けない
シールドルームになっている。
大人二人がやっと乗れる
エレベーターで地上へ上がっていく。
肩が少し触れても
何も気にしない恭に
つまらないなと思ってしまうのだ。
PM1時。
私たちは目的の場所へ向かう。
ひとけの少ない裏道に入ると
影が時間を誤作動させる。
スプレーで描かれた落書きを見ながら
細い道を進んでいった。
そしてさびた鉄製の扉の前で
私たちは足を止めた。