天才ハッカーと助手
「いい奴いそう?」
「んー、そこそこかな」
「そろそろターゲット絞りたいんだけど」
「こいつは?」
尋さんのパソコンのディスプレイには
40代後半くらいの男が映りだされた。
「最新のセキュリティを
突破してるんだってさ」
「へー、あんま興味ねぇ」
「文句言うなよな」
「じゃあ、5万でどう?」
「さっさと片付けろよ?」
「わかってるよ」
尋さんはとっくに置いてかれている
私に話しかけた。
「名倉ちゃんさ、
アプリケーション作成できたりする?」
「少しだけなら…」
「じゃあさ、被害者になってくんない?」
「えっ?! 私が?」
「うん、駄目かな?」
尋さんのお願いを断ることも出来ず
首を小さく上下にふった。